快適な沖縄の住まいと暮らしを提案。「週刊タイムス住宅新聞」「週刊ほーむぷらざ」「季刊紙Seniorwave」を発行

トピックス

[SDGsな取り組み40]01 総合エネルギーで地域貢献 沖縄ガス(株)

2023/04/01

株式会社 タイムス住宅新聞社

01 総合エネルギーで地域貢献 沖縄ガス(株)


二次利用で効率化

今年で創立65周年を迎える沖縄ガス。力を入れているのが、環境に優しいガスの性質を十分に発揮できる取り組みだ。同社代表取締役会長の我那覇力蔵さんは「ガスはCO2排出量が少なく、使用するまでのロスも少ないクリーンなエネルギーなんです」と説明する。

例えば「ガスコージェネレーションシステム」は、従来の大規模集中型の発電システムよりも効率的で、投入したエネルギーの7~8割以上を活用できる=図1。
 

ガスを使って発電し、その際に出た熱を給湯や空調などに二次利用するというシステム=図2=で、工場など必要な場所までガスを送り発電することにより送電ロスもなくなる。
 
都市ガスでガスエンジンなどを動かして発電しながら、副産物である廃熱などを蒸気や温水、冷水を作るために二次利用している
都市ガスでガスエンジンなどを動かして発電しながら、副産物である廃熱などを蒸気や温水、冷水を作るために二次利用している

工場をはじめ、那覇文化芸術劇場「なはーと」などさまざまな施設で採用されており、糸満市では浄化センターから出たメタンガス(消化ガス)で発電し、その際の熱を隣の工場で活用している=下写真。

糸満市浄化センターの消化ガスを利用しているコージェネレーションシステムの設備。下水処理過程で発生するメタンガスで発電し、その際の熱を利用して作った温水を近くの工場で使っている(沖縄ガス提供)
糸満市浄化センターの消化ガスを利用しているコージェネレーションシステムの設備。下水処理過程で発生するメタンガスで発電し、その際の熱を利用して作った温水を近くの工場で使っている(沖縄ガス提供)

家庭でコージェネレーションの仕組みを取り入れられる燃料電池「エネファーム」の普及も進める。ガスで発電し、その際に出た熱を給湯に使う。

我那覇会長は「化石燃料の量は限られています。ガスも電気も、エネルギーを効率よく使うことが大切です」と話した。


CO2や電力削減

環境負荷が大きい重油を使っている工場などには、クリーンな都市ガスへの「燃料転換」を提案。例えばボイラーでは、燃焼性に優れたガスにすることで効率が上がるほか、すすも発生しないためその効率も維持できる=図3。実際、ボイラーの燃料を重油からガスにし、最新式の設備を導入した工場では、年間約270トンのCO2削減が見込まれているという。



また、消費電力量の多くを占めるのが冷房などの空調となっていることから、GHP(ガスヒートポンプ)エアコンなどのガス空調の導入も推進。「高効率のガスエンジンで室外機を動かすため、消費電力を抑えられます」。商業施設やホテル、病院、学校などにも導入が広まっている。


経営がSDGs

ほかにも、再生可能エネルギー由来の電気を発電する「中城バイオマス発電所」の事業に参画したり、食品残さや家畜ふん尿のバイオガス化などを琉球大学と共同研究している。太陽光発電で得た収益はさまざまな団体に寄付するなど、地域の支援活動にも取り組む。2020年には「SDGs宣言」も発表した。

我那覇会長は「当社の創立目的の一つが自然環境の保護。そんな創業者の思いを65年たった現在も引き継いでおり、環境保全を意識した当社の経営活動自体がSDGs活動とも言えます。ガスも電気も扱う総合エネルギー企業として、今後も社会基盤を持続させつつ環境負荷を抑えられる提案を積極的に行い、沖縄の豊かな自然を守っていきたい」と力を込めた。


沖縄ガス(株)
那覇市西3-13-2
電話=098・863・7730


総合エネルギーで地域貢献 沖縄ガス(株)

[関連記事](株)タイムス住宅新聞社 創立40周年特別号
 

カテゴリー

アーカイブ